教育

高校生と保護者の学習・進路に関する意識調査 (震災の影響)

東日本大震災により高校生の価値観や大学進学意識が変化
家族・知人が被災した高校生、ボランティアや募金など主体的に被災地に関わった高校生は、助け合いの精神や社会貢献意識が強まったと回答

公開日:2011年11月30日
株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山市、以下ベネッセ)の社内シンクタンク「ベネッセ教育研究開発センター」では、2011年9月に、全国の高校生とその母親4,647組を対象に、「高校生と保護者の学習・進路意識」について、インターネット調査を実施しました。当調査は、「東日本大震災が高校生の価値観に与えた影響」と、「親子間での学習・進路意識のギャップ」の、2つのテーマで行いました。今回は、「震災の影響」について発表いたします。
主な調査結果は以下の通りとなります。

1.全国どの地域でも、約2割の高校生がボランティアや募金などを通して「被災地と主体的に関わりを持った」と回答。「家族・知人が被災した」高校生は、被災の実態と同様に、東北・北関東に多い。

2.「家族・知人が被災した」「被災地と主体的に関わりを持った」高校生は、震災を経て「お互いに助け合って生きることの大切さを強く感じるようになった」「どんな厳しい状況でも生き抜く力が必要だと思うようになった」(それぞれおよそ7割台)と考えるようになっており、全体平均と比較して価値観の変化が大きい。

3.震災を経て「社会に貢献したいという気持ちが強まった」「ボランティアに対する関心が強まった」と回答した割合は、「被災地と主体的に関わりを持った」高校生では5割弱となっており、全体平均との差が最も大きい。

4.大学進学を希望する高校生のうち、「家族・知人が被災した」「被災地と主体的に関わった」高校生は、「大学生活を無駄に過ごしてはならないと強く感じるようになった」(約5割)、「大学で学ぶ目的について真剣に考えるようになった」(約4割)と回答している。


*「家族・知人が被災した」高校生、および「被災地と主体的に関わりを持った」高校生の定義は以下の通り。
「家族・知人が被災した」…家族や自宅、親戚、友人・知人が被災した。
「被災地と主体的に関わりを持った」…被災地を実際に訪れたり、ボランティア・募金・物資を送るなどの被災地支援を行った。
調査結果からは、全国の高校生の5人に1人(約2割)が、被災地を実際に訪れたり、ボランティア・募金・物資を送るなど、被災地に対して何らか、主体的に関わりを持ったことがわかりました。6割強の高校生は、震災を経て「お互いに助け合って生きることの大切さを強く感じるようになった」「どんな厳しい状況でも生き抜く力が必要だと思うようになった」と回答しています。なかでも、被災地と主体的に関わりを持った高校生の5割弱は、「社会に貢献したいという気持ちが強まった」「ボランティアに対する関心が強まった」と回答しています。
また、大学進学を目指す高校生の3~4割が、「大学生活を無駄に過ごしてはならないと強く感じるようになった」「大学で学ぶ目的について真剣に考えるようになった」と回答していることから、保護者や教員、あるいは大学や社会が、こうした高校生の気持ちを受け止め、将来につなげていくサポートをすることが必要であると考えます。

Benesse教育研究開発センターのホームページに、詳細データを掲載しています。
Benesse教育研究開発センター

最終更新日:2020年03月09日