コーポレート・ガバナンス
- ガバナンス体制早わかり
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ガバナンス体制早わかり
機関設計の形態 | 取締役会・監査役設置会社 |
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取締役の人数 | 5名 |
監査役の人数 | 2名 |
取締役の任期 | 1年 |
連結子会社数 | 39社(2024年3月末現在) |
会計監査人 | 有限責任監査法人トーマツ |
1. コーポレート・ガバナンスの概要
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① 当社のコーポレート・ガバナンスの体制
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[コーポレート・ガバナンスの体制の概要とその体制を採用する理由]
当社及び当社グループは、「Benesse=よく生きる」の企業理念のもと、創業以来「教育」「介護」「生活・子育て」などの分野を中心に、さまざまな社会の課題に取り組むとともに、お客さまの向上意欲と課題解決を一生涯にわたって支援しています。その企業理念を事業現場で具体的な活動において実行していくよりどころとして、グループパーパスを2023年2月に公表しました。また、当社は、その実現かつ当社グループの持続的利益成長を目指すため、同年5月に「変革事業計画」を策定し、計画達成に向けて、ポートフォリオ構造の変革に取り組み、新たな成長領域への投資や人財のリソースシフトを行うとともに、よりスピーディに意思決定できるよう、経営のマネジメントシステム及びコーポレート機能の変革を実行し、計画を強力に推進してきました。
さらに、当社は2023年5月、創業家とスウェーデンに本社を置くプライベート・エクイティ投資会社であるEQTからMBOの提案を受け、買収検討委員会での検討を経て、当社取締役会として当社株券等に対する公開買付けの実施について賛同の意見を表明し、株主への応募推奨を行いました。当該公開買付けは2024年1月30日から3月4日に実施され、これが成立したことに伴い同年4月29日開催の臨時株主総会にて、株式併合及び定款一部変更を決議し、同年5月17日に当社株式の東京証券取引所プライム市場における上場廃止を経て、同年5月21日付をもって株式併合の効力が発生し、当社の株主は、EQTが出資するブルーム1㈱と創業家が出資する㈱南方ホールディングスの2社となりました。この結果、機動的かつ大胆な経営施策の実行が可能となり、EQTのノウハウ、ネットワークを活用し、事業シナジーの創出に取り組み、「変革事業計画」の達成に努めるため、以下の経営体制で事業運営に取り組んでいます。
機関設計については、株主間合意により、取締役の総数は最大7名とし、当初、小林仁氏(代表取締役社長CEO)、福武英明氏(取締役会議長)を選任するとともに、代表取締役社長以外に指名権を有する取締役の人数はEQTが3名、創業家が2名(うち1名は福武英明氏)、及びEQT及び創業家が共同指名する取締役が1名とされています。また、監査役会設置会社から監査役設置会社に変更し、EQT及び創業家がそれぞれ1名ずつ指名権を有し、監査役2名を選任することとされています。これを受け、当社は、2024年6月3日開催の定時株主総会における定款の変更が決議されたことにより、同日をもって監査役会設置会社から監査役設置会社へ移行しております。
取締役会は、業務執行取締役1名(小林仁氏)及び非業務執行取締役4名(福武英明氏、岩瀬大輔氏、清水将浩氏及び鬼塚哲郎氏)で構成され、代表取締役である社長(小林仁氏)、ならびに代表権を持たない取締役の中から取締役会長(福武英明氏)及び取締役副会長(岩瀬大輔氏)を選定しています。取締役会は、取締役会長を議長として原則毎月1回開催し、会社の経営の重要な意思決定を行うとともに、当社及び当社グループ会社の業務執行を監督するほか、当社グループの成長のために必要な戦略的事項を議論する場としています。また、監査役は、新たに2名が選任され、社内の事情に詳しく、財務及び会計に関する相当程度の知見を有する監査役(齋藤直人氏)と、弁護士資格を有する監査役(工藤洋治氏)が、監査役監査基準に準拠し、監査の方針、職務の分担等を定めたうえで実効的な監査を行っています。
なお、当社の取締役、監査役は主要子会社である㈱ベネッセコーポレーション及び㈱ベネッセスタイルケアの取締役、監査役を兼務しており、これにより、グループとして迅速な意思決定をはかるとともに、適切な監督を行っています。
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[当社グループの業務執行の監督]
当社は、持株会社体制のもと、グループ全体の経営方針、長期ビジョンの実現及び全体の経営数値目標の達成を目的に、事業会社経営管理規程に基づき、以下の方法により当社グループ全体の業務執行に関する情報を収集・共有し、牽制機能を果たしています。
当社における執行体制は、当社グループの最高経営責任者としてCEOを設置し、取締役社長がこれを務めるとともに、当社グループの戦略的な事業領域の統括を主要子会社に行わせ、教育・生活事業領域(事業セグメントにおける「国内教育事業」、「大学・社会人事業」及び「その他」の一部)を㈱ベネッセコーポレーション社長、介護・保育事業領域(事業セグメントにおける「介護・保育事業」)を㈱ベネッセスタイルケア社長が統括します。
また、経営戦略、財務、人事、法務・リスク管理、DX、コーポレート・コミュニケーション等の各専門領域にCXO(各領域(X)における最高責任者、Chief X Officer)を設置しています。CXOは、各専門領域において管理部門の統括、グループ全体の経営管理の推進、経営課題の抽出・解決の役割を担うほか、専門的知見をもとに当社グループ全体を横断した視点でCXO間の連携を図り、経営課題の解決を推進することで取締役社長CEOを補佐しています。なお、オペレーショントランスフォーメーション領域においては、取締役社長CEO直轄とし、管理部門の責任者が当該専門領域の統括を行っており、これらのCXO及び取締役社長CEO直轄の管理部門の責任者(以下、「CXO等」という。)は、子会社に対し必要な報告を求め、指示を行っています。
子会社は、当社グループの経営に影響を与える可能性のある重要な事項について機関決定を行う場合、㈱ベネッセコーポレーション社長又は㈱ベネッセスタイルケア社長が統括する子会社については、当該事業領域を統括する会社の社長を通じて当社と事前に協議を行うものとしています。当社は、当該協議事項について、当社グループの成長及び適法性の確保の観点から、該当の事業領域を統括する会社の社長とCXO等の間で検討のうえ、CEO決裁、当社取締役会決議等の手続きを経るものとしています。
当社は、当社グループの重要事項を共有するとともに、各戦略的事業領域及び戦略的事業領域間の横断的事項、当社グループ全体の経営課題等について審議するために、取締役社長CEOを議長とし、CXO等、㈱ベネッセコーポレーション社長、㈱ベネッセスタイルケア社長及びこれらの会社の事業部門責任者及びCEOの指名者等が出席する経営会議を設置しています。また、当社と各戦略的事業領域間において事業計画の進捗状況、KPI等の重要事項の報告、各戦略的事業領域における横断的な重要事項の報告・審議等を行うために、当該領域における事業責任者を議長とし、CEO、当該戦略的事業領域を統括する会社の社長及びこれらの会社の事業責任者、CXO等及びCEOの指名者等が出席するCMC(Company Management Committee)を設置しています。
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[内部統制システムの整備の状況]
当社グループでは、内部統制システムの基本方針及び会社法施行規則に則り、体制整備に必要な大綱を定めるため、2006年5月に当社取締役会において決議を行いました。同決議は2024年3月8日付で決議した改定が最新の改定となっています。
また、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の構築及びその他の対応については、当社の内部監査部門が当社グループ全体の対応を一元的に推進しています。
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[リスク管理体制の整備の状況]
当社は、2010年10月、業務が適正かつ倫理性をもって遂行されることを確保するため、企業理念に根ざし、グループにおける役員、従業員一人ひとりがとるべき行動の指針を示したベネッセグループ行動指針を制定しています。これにより、各子会社は、ベネッセグループ行動指針に示す行動を実行することにより、社会規範、企業倫理及び法令等の遵守を徹底しています。さらに、2023年2月にグループパーパスを公表し、企業理念の実現を追求し、社会に対して価値を提供する企業であり続けることで、持続的に成長・発展するための経営体制を構築します。また、当社は、当社グループを対象とした、ベネッセグループリスクマネジメント・コンプライアンス規程を策定し、各子会社が、法令等を遵守すること、それぞれの業態、事業特性、事業規模、職場環境等に応じた、より具体的な内容の各社固有の行動基準その他の規程を定め、当該規程類を通して業務の適切性を確保し、コンプライアンスの徹底を行うこととしています。
当社は、当社グループ全体のリスクマネジメント及びコンプライアンスの推進を目的として、リスク・コンプライアンス委員会を設置しています。同委員会は、CEO、CXO等、㈱ベネッセコーポレーション社長、㈱ベネッセスタイルケア社長及びこれらの会社の事業責任者等が参加し、委員長はリスクマネジメント及びコンプライアンスを統括するCLRO(Chief Legal and Risk Officer)が務め、当社及び子会社における事業計画に盛り込まれた重要リスク対策の進捗をモニタリングすることによりグループの重要リスクの状況を可視化し、毎年度グループにおける重要リスク及びその対応方針を決定しています。その結果は定期的に当社取締役会に報告したうえで、これを当社内及び子会社に周知し、改善活動(是正、予防策の実施、教育研修等を含む)その他の重要なリスク対策を推進しています。このようなPDCAサイクルを運用するほか、ネガティブ情報を共有し、平時のリスクマネジメント及びコンプライアンス活動を推進しています。
クライシス対応については、ベネッセグループリスクマネジメント・コンプライアンス規程において、クライシス発生時に情報が即座に当社に報告されるように、簡潔で明瞭な対応体制を構築しています。クライシスの発生時においては、当該体制に基づき適時適切に対応することが重要と考えています。
当社では、1999年から内部通報制度を運用し、通報者の不利益にならないよう「匿名性確保」「秘密保持」を明確にし、行動基準に違反する行為等の通報は、従業員等の義務としています。
2005年からは、国内グループ会社にまで対象を広げ、外部の第三者機関による窓口を設置しています。その後、2009年に海外グループ会社にまで対象を展開してきましたが、2019年11月にグローバル通報制度を再整備し、さらに、2022年6月の改正公益通報者保護法の施行に対応したグループにおける通報窓口も整備しています。
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[責任限定契約及び役員等賠償責任保険契約の内容の概要]
当社は取締役(業務執行取締役等を除く)及び監査役全員と会社法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づき、取締役(業務執行取締役等を除く)及び監査役がその職務を行うにつき善意であり重大な過失がなかったときは、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額が損害賠償の限度額となります。
また、当社は、当社取締役及び監査役全員を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しており、当該被保険者の保険料は当社が全額負担をしています。当該保険契約は、被保険者が職務の執行に起因して損害賠償責任を負った場合における損害賠償金及び訴訟費用等を填補するものです。ただし、被保険者が法令違反を認識しながら行った行為等に起因する損害等は対象外とすることにより、職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じています。
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② 取締役の定数、資格制限等に関する事項
当社においては、定款において取締役の定数を3名以上7名以内と定めています。取締役の資格については特段の制限は定めておりません。また、取締役の選任の決議については、累積投票によらない旨を定款に定めています。
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③ その他の定款の定め
当社は、株主に株式又は新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合の募集事項等会社法第202条第1項各号又は第241条第1項各号に定める事項の決議について、株主総会の決議によらず取締役会の決議をもって定める旨を定款に規定しております。
また、株主への機動的な利益還元を行うため、当社は、取締役会の決議によって毎年9月末日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めています。
その他、取締役及び監査役がその期待される役割を十分に発揮できることを目的とし、取締役及び監査役の責任免除について、会社法第426条第1項の規定に基づき、任務を怠ったことによる取締役、監査役(取締役、監査役であった者を含む)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議をもって免除することができることとしています。
2. 役員の状況
3. 監査の状況
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① 監査役監査の状況
当社は2024年6月3日の定時株主総会の決議をもって、監査役会設置会社から監査役設置会社に移行し、常勤監査役1名、非常勤監査役1名が選任されています。常勤監査役は、財務及び会計に関する分野で相当年数の経験を有しており、非常勤監査役は、弁護士であります。また、監査役の職務遂行を補助し監査機能の充実を図る組織として監査役室を設置し、専任スタッフ1名を配置しております。
監査役は、監査役監査基準に従い、予防監査に重点を置いて、社会的信頼に応える良質な企業統治体制の確立に責務を負うことを監査方針として掲げております。
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② 内部監査の状況
内部監査については、社長直轄の専任組織である内部監査部が23名体制で、当社及び事業会社に対し、内部統制の整備・運用状況とリスク管理状況を監視するとともに、リスク等の評価を踏まえた業務監査を行っております。さらに、統制自己評価制度(Control Self-Assessment=CSA)も活用して事業部門責任者との連携、検証機能の充実に努めております。こうした監査結果については適宜、取締役会、監査役に報告しております。また、同部は、「内部統制報告制度」に対応し、当社及び事業会社の内部統制を評価し、評価結果について取締役、監査役に報告しております。