社外取締役メッセージ

多様な観点から議論を深めるとともに、
さらなる成長に向けた挑戦を
支援していきます

社外取締役/指名・報酬委員会 委員長

岩井 睦雄

社外取締役/指名・報酬委員会 委員長 岩井 睦雄

コロナ禍の取締役会においても時間をかけて議論を深める

2021年度の取締役会は、コロナ禍による制約もありましたが、各取締役の専門性や経験を活かし、時間をかけて多角的な議論ができたと評価しています。なかでも、ベルリッツ事業のイグジットは大きな議題の一つでしたが、具体的な交渉内容も詳細に報告され、経緯をしっかりモニタリングしてきました。同様に中期経営計画についても、2年間でV字回復を目指す目標の達成に向けた進捗状況を確認してきました。加えて、各事業領域の取り組みについては、足元の状況だけでなく、事業の将来性も含めて多様な観点から議論しています。
そのなかにあって、私はM&Aでグループに加わった会社の運営状況の確認を重視しています。「ベネッセ」という大きなブランドのなかで、各事業会社をどのように位置付けて統合し、成長させていくのか。これは投資効率にも関わることですので、取締役会において議論を深めるべく積極的に発言しています。

サクセッションプランの要諦は社内の議論による総意の形成

私は、2022年7月から指名・報酬委員会の委員長を務めることとなりましたが、同委員会の最も大きな役割はサクセッションプランだと認識しています。
私個人の意見として、サクセッションプランの策定においては、まず社内で後継者を育成して評価し、「この人が次世代を担っていく」という総意を形成することが大切です。そのうえで、社外の人間がより大きな視点から、そのプランが適切なものか否かを判断することが重要であり、これを私は「エンドース」と呼んでいます。
従来から当社の指名・報酬委員会では、すでに広い視点からの議論・検討がなされていますが、社内で総意を得るプロセスの整備や、判断の補強材料となる執行役員のパイプラインの状況などの情報提供については、より理想的な議論を進めるうえでの課題として認識しています。

チャレンジこそがグループの成長につながる

社外取締役としての活動のなかで株主や投資家の方とコミュニケーションをとると、当社グループの現状や目指す方向性が十分に理解されていないと感じることがあります。例えば、進研ゼミの会員数が減少したことを心配する声が多く寄せられています。しかし、当社グループは進研ゼミ事業のみならず、すべての事業でDXを加速させるとともに、将来を見据えた戦略を推進しています。また、各事業において「よく生きる」という理念を追求し、顧客や社会に新たな価値を提供すべく努力しています。ベネッセがあらゆる世代の人々の「よく生きる」という希望を後押しし、今後も成長が期待できる企業グループであることを、将来の社会的価値を表す指標などを用いつつ、コミュニケーション活動を通じてステークホルダーの皆さまにしっかりとお伝えしていくことも必要だと考えています。
企業の最大の資産は「人財」です。ベネッセには、人財を大切にして、活かす文化が根付いており、そこで活躍する社員一人ひとりは新たなチャレンジを続けています。そして、これまでの当社グループの成長は、まさにそうした社員の力で実現してきたものだと理解しています。チャレンジこそが、当社グループの将来の成長につながります。リスクテイクの最終判断は取締役会の役割ですので、今後も社外取締役としてその取り組みを見守り、サポートしていければと思っています。

最終更新日:2022年09月05日