教育

「学校外教育活動に関する調査」子どもの習い事や部活―6割の母親が「費用の負担重い」

公開日:2009年10月27日
株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山市)の社内シンクタンク「Benesse教育研究開発センター」では、2009年3月に、3歳から17歳(高校2年生)までの子どもを持つ母親15,450名を対象に、習い事や部活などの学校外教育活動や教育支出について、調査を実施しました。主な調査結果は次のとおりです。
  1. 「子どもにとってスポーツ活動は必要」と思う母親は98.5%、「芸術活動は必要」は85.4%
  2. スポーツ活動をしている子どもは57.8%、芸術活動をしている子どもは32.7%
    • スポーツの活動をしている子どもの割合は学年による差が大きく、芸術は男女による差が大きい。
    • スポーツをやらせている母親が期待しているのは「健康」(74.9%、「とても期待する」の%、以下同)に加えて「礼儀やマナー」(68.1%)、「仲間と協力する姿勢」(66.8%)など、人とのかかわりについての項目も期待が高い。
    • 芸術活動においては「豊かな感性(感受性)を育てる」と回答した割合が最も高い(64.2%)。
  3. 学校外教育活動の費用の合計(1ヵ月あたりの平均)は、子ども一人あたり16,700円。
    年収800万円以上の世帯で26,700円、400万円未満の世帯はその1/3の8,700円。
    • 一人の子どもにかける学校外教育活動の費用の合計は、幼児では7,200円、小学生では17,900円、中学生では25,100円、高校生では19,400円。
    • 世帯年収が400万円未満のグループでは1ヶ月あたり8,700円、世帯年収800万円以上のグループは26,700円であり、およそ3倍の開きがある。
  4. 子どものスポーツ活動や芸術活動に対して、6割が「費用の負担が重い」と感じている
    • スポーツ活動に関しては63.0%、芸術活動に関しては58.4%の母親が「費用の負担が重い」と答えている。またスポーツ活動では、「応援や手伝いの負担が重い」も57.2%にのぼる。
    • 世帯年収別にみると、400万円未満のグループでは、75.3%が費用の負担が重いと答えている。年収800万円以上のグループであっても、49.1%が負担を感じている。
  5. 母親の志向は、子どもがスポーツ活動や芸術活動を行うかどうかに影響を与える
    • 母親自身が「身体を動かすこと」を好むほうが、子どもがスポーツ活動をしている傾向がある。同様に、「歌を歌ったり楽器を演奏したりすること」を好むほうが、芸術活動を行っている傾向にある。
多くの母親たちが「子どもにスポーツや芸術を通して成長してほしい」と願いつつも、費用などの点で負担を感じている様子が確認できました。一方で、スポーツや芸術に対する母親のポジティブな姿勢が子どもの活動に影響を与えていることもわかりました。子どもたちの可能性を広げてあげるために、家庭や地域で、我々大人たちに何ができるのかを考えていく必要があります。


くわしくはこちらをごらんください。

最終更新日:2020年03月09日