社員の成長が、企業の成長につながると考えています
ベネッセでは、人財が事業の成長を支える最も重要な要素であり、多様な価値観や強みを持つ人財こそが企業を強くすると考えています。ベネッセの最大の資産である「志を持った人」の「よく生きる」をよりサポートできるよう、2009年4月から「新人事制度」を導入しました。
インタビュー
「社員の成長」の観点からすべてを見直した新人事制度
人財部 人財開発課長
飯田 佳子
「人が最大の資産である」というのは、私が入社するずっと前からいわれているベネッセの根本思想です。ベネッセの社員には「人の役に立ちたい」とか「社会に貢献したい」とか、顧客や社会に対する強い思い、志を持つ人が多く、そうした「志ある人」こそがベネッセの財産なのです。けれど経済環境が激変する中で、ともすると短期的な業績が重視され、「本当に人を活かし、大事にしているのだろうか?」という反省が人事や経営内部に湧き上がってきました。
5年後、10年後のベネッセは、間違いなく今とは異なる環境に置かれているはずです。未知の事業分野への進出、世界市場での競争、新たなビジネスモデルの創出…。そうしたベネッセの将来像を描いたときに、もっと社員を活かしていくこと、すなわち、「社員一人ひとりの強みを活かし、多様な貢献を認めていくこと」が大事なのではないか、それこそが事業の成長につながるのではないか、との思いに至りました。
しかしながら、150名を超える社員にインタビューをしたところ、「自分のキャリアビジョンが見えない」「この先、ベネッセの中で活躍し続けることができるのか不安」といった声が多く聞かれました。これからのベネッセをつくっていく人たちが、中長期の視点で見たときのキャリアや成長イメージが持てずにいる状況が見えてきました。
そこで、従来の制度を「社員の成長」という観点から、一つひとつ見直してつくったのが、「新人事制度」なのです。
社員一人ひとりの強みを育て、多様な貢献を認めていきたい
これまで6等級あった等級制を廃止し、育成ステップに合わせて「プライマリ」「アドバンス」「シニア」の3つのグレードを導入。「プライマリ」で土台をつくり、「アドバンス」で強みを育て、「シニア」ではその強みを持って活躍して欲しい。この育成ステップに合わせ、評価報酬、育成、異動・配置、働き方など、すべての人事制度・施策を見直し、再設計をしました。実際の運用はこれからですので試行錯誤も予想されますが、大切な「人財」のために、よりよい制度にしていきたいと思います。社員にとっての「よく生きる」を支援すること、すなわち社員が自分の強みを活かし、いきいきと長く活躍し続けられるような支援をしていくこと、それが私の目標であり、やりがいです。
人事ポリシー
「ベネッセの最大の資産は『志を持った人』」。その「人財」を最大限に活かし、成長を支援します。社員一人ひとりは、仕事の中、地域や社会とのつながりの中で、気づきを持ち、視野を広げ、力を伸ばすことで事業を成長させます。
人事ポリシー全体図

女性の活躍支援
ベネッセでは55%が女性社員となっており、管理職や役員への女性の登用を、従来から積極的に行っています。現在、女性管理職比率は約4割に上っています。また、ワーキングマザーは女性社員の約35%となっています。
これは、男女雇用機会均等法施行以前の1970年代後半から、4年制大学卒女子を積極的に採用し、男女の差なく昇進・昇格を行ってきたことによります。また、育児支援を中心に、男女を問わず多様な働き方を支援する制度や施策が、女性の活躍を後押ししています。
障がい者雇用
仕事発表の様子(岡山クリーン 竹井さん)
ベネッセでは、特例子会社ベネッセビジネスメイトを中心に、働く意欲のある障がい者を積極的に採用しています。2009年4月1日現在、「障害者雇用率制度」のグループ適用6社※で、障がいを持つ従業員が198名勤務(うち重度の身体・知的障がい者は79名)、障がい者雇用率は法定の1.80%を超える2.14%となっています。今後も、グループ全体で障がい者の職域の開発、職場での定着推進などを図り、雇用の維持・拡大を目指します。
※ベネッセ、ベネッセビジネスメイト、ベネッセスタイルケア、テレマーケティング ジャパン、
パーソンズ、アビバ。
障がい者雇用率

「均等・両立推進企業表彰」厚生労働大臣最優良賞を受賞
ベネッセは「平成20年度 均等・両立推進企業表彰」厚生労働大臣最優良賞を受賞しました。これは「女性労働者の能力発揮を促進するための積極的な取り組み」と「仕事と育児・介護との両立支援のための取り組み」について、模範となる取り組みを進めている企業を表彰するものです。
今回の受賞は、女性管理職の増加、学校営業など女性の少ない職種での女性比率の増加と、前回(平成11年度労働大臣優良賞)の受賞後から進捗のあった育児休職制度・育児時間短縮勤務制度の拡充・取得実績が評価されたことによります。
目標管理
上司との間で目標を客観化し、年間を通じて評価していくしくみとして、ベネッセでは全社員を対象にチャレンジシートを運用しています。年間3回(目標設定時・中間評価時・期末評価時)の運用のほか、日常的にテーマやミッションの再確認、業務の進行状況に合わせてコミュニケーションを図るツールとして位置づけられ、「パフォーマンス(仕事での成果・プロセス・個人の能力)とリワード(報酬)の一致」を実現するうえで重要な機能を担っています。
また、2009年度からは、社員の成長を支援する機能も強化し、一人ひとりの強みや課題、能力開発目標、中期的なキャリアの方向性などについても、上司とよりコミュニケーションがとれるツールに改訂しています。
公募・青紙制度
「公募制度」は、社会人歴3年以上の社員を対象とした「求人型」の制度です。事業側のニーズから強化したいポジションについて、広く全社から人財を募集する目的で実施されます。公募部門は、当社・グループ会社の新規事業・重点分野となるので、社員にとってはキャリア開発のチャンスの場といえます(応募件数は、2008年度57件/2007年度は対象部門なし)。
「青紙制度」は、3つのグレードのうちの「アドバンスグレード」以上の意欲と能力のある人に仕事選択の機会を提供する「求職型」の制度です。毎年12月に、次年度の異動に合わせて受け付けられます。現業で明確な成果を出し、そのプロセスを通して能力を高められた人に、次のキャリア形成として希望実現のチャンスが与えられます(応募件数は、2008年度88件/2007年度107件)。
組織診断調査(GAMBA)
1992年度から毎年全社員を対象に継続、実施されている組織診断調査が「GAMBA(ガンバ)」です。ベネッセのほか、主要なグループ会社も活用しています。
おもな目的には、経営が経営理念の浸透や組織・風土の現状を把握すること(健康診断)、各部門で、組織運営の改善や組織編成の参考として活用すること、などがあります。
結果については、代表取締役会長、代表取締役社長をはじめ本部長、部長クラスにまで報告されます。回答者である全社員に対しても部門ごとにフィードバックされ、課題の共有化が行われています。
360度サーベイ
ベネッセでは、2003年度より社長以下執行役員と部長に対して、2004年度からは対象を課長層まで拡大して、360度サーベイを実施してきました。
2008年度には、部課長に求める「管理職要件」に基づく「新360度サーベイ」を開始し、よりマネジメントレベルの向上につながるサーベイを目指しています。回答は、部下や同僚などサーベイ者本人が指定する10〜15名がWebサイト上で行い、管理職に求める役割、行動、姿勢などについて広く評価します。サーベイ者本人には結果のフィードバック、外部機関や上位者による個別コーチングを行います。
能力開発ポイント制度
毎年4月、社員に付与される一定のポイント数で、社員が自主的に能力開発プログラムを選択し受講する制度です。ポイント数は、グレードに応じて一人約100ポイント(1ポイント=1,000円)で、次年度まで繰り越しができ、昇格時にはボーナスポイントが加算されます。
この制度は、社員個人の自主的な学びを支援するためのもので、ポイント利用対象は外部オープン研修、キャリアプラン研修のほか、社会人大学院など現在の業務やキャリア上必要であると判断するものに適用できます。
研修制度
ベネッセでは、「プライマリ」「アドバンス」「シニア」の3つのグレードを導入しています。主体的に能力開発に取り組む社員のために、グレードに合わせた行動要件を明確化し、それを支える研修を体系的に行っています。研修のおもな内容は以下のようになっています。
- ビジネスフレーム研修/ビジネス知識強化(e-learning)
ビジネスフレーム研修はプライマリグレードの社員が対象の必須研修です。企画、マーケティング、ロジカルシンキング、アカウンティングなどビジネスの基礎知識を学び社会人としての土台づくりをバックアップします。 さらに、それらのビジネス知識を自分の強み・弱みに応じて自由に学べる機会として、アドバンスグレードの社員向けに「ビジネス知識強化(e-learning)」があります。 - 業務知識研修
業務に必要なスキル獲得に向けて行われる研修です。編集者研修(初級・実践)など、業務のレベルに応じて受講します。また、Webを使ったサービス提供や宣伝が増えてきている現状を考え、2008年度からは、従来実施してきたWeb担当者向けの基本研修のメニューを拡充しました。 - 管理職支援
おもに新任部課長を対象に、マネジメントに必要な目標設定と評価、労務知識、コンプライアンスなどを初期プログラムとして学びます。2009年度からは課長向けの初期プログラムをさらに強化し、2年目課長までのプログラムに拡充しています。また、全部課長対象に、管理職としての観を養い、ノウハウを共有する機会を設定する予定です。 - 視野拡大のメニュー
土台形成期を経たアドバンス、シニアグレードの社員を中心に、外部との接点を増やし視野の拡大を図る場として、「異業種研修」をさらに拡充しました。他社の社員との学びによって、ベネッセにはない視点や考え方などに触れる機会となっています。また、ベネッセの事業成長につながる専門的な学びの支援を目的に、2009年度から新たに「留学支援制度」を新設しました。
2009年度研修体系

※プライマリは必須プログラムを、シニアは選択型プログラムを重点的に配置。
社員数と採用人数の推移(2007〜2009年/4月時点)

※平均勤続年数8.2年(2009年3月時点)。
