すべての企業活動、人々の活動はいい地域づくりのために
©草間彌生「南瓜」/撮影 村上宏治
ベネッセは4つの財団活動を通じて、いい地域づくりを目指しています。
一人ひとりの「よく生きる」は、いい地域の中にあってこそ実現されるものだからです。
ベネッセの財団の取り組みの中には、現代アートを媒介とした地域づくりがあります。
これは世界でもユニークなCSR活動として注目され、ベネッセの企業価値をも高めるものとなっています。
ベネッセには4つの財団があります。財団活動はベネッセの株式の配当を持って運営資金にしており、ベネッセとしてはサステナブルな事業成長を実現し、安定して継続的に配当をすることが財団支援につながると考えています。
福武学術文化振興財団
歴史学や地理学への助成から、新しい学術、文化の普及に貢献
魚類図鑑『衆鱗図』の国際的価値に関する研究発表
北川フラム氏の講演
1985年の会社創立30周年を記念し、創業社長・福武哲彦の「会社の事業とは違う形態で、社会貢献をしたい」という想いのもとに設立されたのが「福武学術文化振興財団」です。ベネッセの最初の財団で、当初は歴史学・地理学などの学術研究助成が中心でしたが、最近は地域活動や地域研究の支援が増えてきました。これまでの助成件数は800件近くになります。財団設立20周年を迎えた2005年から、「瀬戸内海文化研究・活動支援助成」を行っています。
活動事例
- 1985年創設当初より歴史学・地理学の研究助成を主たる事業とする当財団では、2005年度より「瀬戸内海文化研究・活動支援助成」を新たにスタートしました。過去4年間の助成件数は108件で、瀬戸内地域の草の根的な文化力の向上に役立っています。
- 2008年度の活動としては、5月に「第2回 成果発表大会」を高松市内で開催。高松藩所蔵の魚類図鑑『衆鱗図』の国際的価値に関する研究や、伊吹島の共同産屋「出部屋」の復元活動など、地域に根ざした研究・活動の発表が行われました。さらに、2010年開催予定の「瀬戸内国際芸術祭2010」の総合ディレクター・北川フラム氏による講演もあり、会場は約200名の参加者の熱気で沸き立ちました。
福武教育文化振興財団
岡山県内の教育・文化の発展のため、個人や団体を積極的に支援
贈賞式
オーストラリアのTAFEへの調査
1986年に、本社のある岡山県の教育の進展のために設立された教育振興財団と、その後に設立された文化振興財団が2007年度に統合され、「福武教育文化振興財団」となりました。子どもたちやお年寄りがいきいきと暮らすことができる地域づくりのために、教育と文化の両面から、人々の「学ぶ」「生かす」「創る」「伝える」を応援しています。
活動事例
- 助成事業における教育関連の助成として、学校や地域での実践的な教育研究や学力・人間力の育成、個性的な教育、小学校教員への英語研修を行っています。
- 表彰事業では、毎年「福武哲彦教育賞」「谷口澄夫教育奨励賞」「福武文化賞」「福武文化奨励賞」の選考・表彰をしています。いずれの賞も、岡山県内において高い評価をいただいています。
- 調査研究事業としては、岡山県内の教育関係者に国際的な視野を広げてもらうため、海外教育事情調査団を各国に派遣しています。2007年と2008年にはオーストラリアのTAFE(公立職業教育専門学校)の調査を行ったほか、日中の高校生の相互交流事業も実施しました。
直島福武美術館財団
現代アートと自然への理解と関心を醸成するため、地域や世界で文化的な交流を実施
地中美術館
「ヴェネチア・ビエンナーレ」で開催された「直島」展
「直島福武美術館財団」は2004年、直島にある地中美術館を運営するために設立されました。瀬戸内海の直島を含めた島々の地域おこしとして、複数の美術施設のプロジェクトを立ち上げています。2009年6月には、イタリアのヴェネチアで「直島」展を行いました。世界各地に存在する過疎の問題に対し、一企業が建築とアートを介して地域貢献に取り組んでいることをプレゼンテーションするとともに、2010年に香川県主催で開催予定の「瀬戸内国際芸術祭2010」のプロモーションも行いました。
活動事例
- 直島にある「地中美術館」の運営のために設立された「直島福武美術館財団」は、活動範囲を広げるために寄附行為を変更しました。今後、直島以外の島々を含めた複数の美術施設を運営していきます。
- 2009年6月、イタリアで100年以上の歴史を持つ国際美術展「ヴェネチア・ビエンナーレ」で、ベネッセとの共催事業として「直島」展とシンポジウムを開催。2010年に行われる「瀬戸内国際芸術祭2010」のアピールをしました。また、第8回となるベネッセ賞は、ドイツ在住の作家、ハンス=ピーター・フェルドマン氏が受賞しました。
文化・芸術による福武地域振興財団
活力ある地域社会の実現のため、地域固有の文化を育む活動を支援
「文化・芸術による福武地域振興財団」は、活力あふれる個性豊かな地域社会を実現するため、2007年に設立されました。地方公共団体などと連携し、地域住民を中心とした創造的で文化的な表現活動を通じたまちづくり、地域産業おこしなどの諸活動を支援しています。
活動事例
- 2007年12月に設立された助成団体である「文化・芸術による福武地域振興財団」は、地方公共団体などと緊密に連携しながら、地域住民を中心とした表現活動を通じたまちづくり、地域産業おこしなどの活動を支援しています。活動初年度となる2008年度の助成団体は、全国で31団体でした。
- 2008年度は、「現代アート」を媒介として町のにぎわいを創出したり、ご高齢者の多い中山間地域や離島地域でアーティストと作品を制作するプロセスを共有化したりといった活動を行いました。また、こうしたアートイベントの財源活動として、「ふるさと納税」の推進もしています。
地域活動助成の事例
| 街かど美術館2009アート@つちざわ<土澤> |
| ワタラセアートプロジェクト2009 |
| 鳴子温泉“生きる”博覧会 |
| 「上勝アート里山の彩生」における新たな観光地域資源の創生 |
| 鳥の劇場09年度プログラム |
| アートリンク・アート パーティー |
| 第4回 福岡アジア美術トリエンナーレ2009 |
第4回 大地の芸術祭(2009年度事業)![]() 2009年7月に行われた開会式 |
| 別府現代芸術フェスティバル2009「混浴温泉世界」 |
| アーカス・プロジェクト2009 ―市民主体へ― |
| 京橋アートプロジェクト |
| 舞鶴赤れんが倉庫群活用構想 赤れんがと海とともに生きる文化の再生・創造プロジェクトまいづるRB |
| kotobukiクリエイティブアクション2009 |
| 豊島における、アートと食の融合を一体的に進める事業 |
| たけし文化センター |
| 絶滅危惧・風景(仮) |
| 神山アーティスト・イン・レジデンス/瀬戸内アーティスト・イン・神山 |
| 八尾スローアートショー2009 ―地域とアートと学校と― |
| 東西南北十字路経由アート 蜜貿易 |
4つの財団の活動テーマは、教育、学術、文化、地域おこしにわたっています。これらの財団のとてもユニークといえる点は、その存在と活動が「世界にファン・シンパの最も多い企業を目指す」「社会や地域になくてはならない存在でありたい」ベネッセに、さらなる輝きを持たせるものとなっているところです。
つまり、企業活動と財団活動が同じベクトルで「Benesse=よく生きる」の実現・支援に向かっているため、財団がベネッセの企業価値を高めるとともに、ベネッセのCSR活動の一端をなす存在になっているのです。
これからの課題は、財団の関係者による取り組みや一部のベネッセ従業員によるボランティア活動にとどまることなく、より多くの従業員が率先して地域づくりにかかわりやすくなるようなしくみをつくることです。

