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教育事業の決意

未来を担う子どもたちに寄り添う存在であり続ける

子どもたちは、未来からの留学生です。時代や社会環境が大きく変化し続ける中、彼らがよりよく生き、伸び伸びと成長できるよう、可能な限りサポートし続けること。これは創業以来変わらぬベネッセの使命であり、決意であります。

すべての商品・サービスは「お客さま視点」で生まれ、磨かれる

1965年度版『関西ゼミナール』創刊号と「関西模試」のパンフレット1965年度版「関西ゼミナール」創刊号と「関西模試」のパンフレット

子どもたちの真の成長のために、私たちは何ができるか。それを考え、工夫し、形にすることが、そのままベネッセの教育事業の歴史でありました。

創業から7年後の1962年、現在の「進研模試」へと発展する「関西模試」が始まります。学校ごとの課題を聞き、相談に乗りながら模試の普及を進めるうちに、当時一般的だった模試は国立大学志望者から短大志望者までを同一の問題で試験しており、進学指導に熱心な高校では不満を持っていることがわかりました。ベネッセはそうした高校の要望を丹念に聞き、まったく新しい模試をつくります。これは高い評価を受け、またたく間に広がっていきました。

以来、商品・サービスをお客さま本位で考えるという姿勢はベネッセの事業の基本となりました。お客さまの声を出発点に、時代によって求められるニーズに合わせた商品・サービスを開発、そして改善し続けることになります。

赤ペン先生による「ツーウェイ・コミュニケーション」が築いた、事業の礎

赤ペン指導員向けの情報誌「赤ペン通信」第1号赤ペン指導員向けの情報誌「赤ペン通信」第1号

やがて当時の福武哲彦社長は、一抹の空虚さを感じるようになります。「模試で子どもたちの実力はわかるけれど、肝心の実力を伸ばすことはできない。何か良い手はないか」。考え抜いた末に生まれたのが、通信添削講座「通信教育セミナ」でした。

1969年に高校生向けからスタートした通信添削は、のちの進研ゼミの代名詞「赤ペン先生」の丁寧な添削指導がゆっくりと評判を呼んでいきます。単なる採点業務ではなく、ときには激励し、ときには学校生活の相談にも乗る。子どもの成長をより大きく捉え、心の交流を重視した「ツーウェイ・コミュニケーション」の姿勢もまた、現在に至るまで事業の根幹となっています。

その後、1972年に開講した中学生向け通信添削講座は、当初会員が集まらず撤退も検討されるほど苦戦が続きました。外部の専門家を招き、ダイレクトメール(DM)を徹底的に検討して思い至ったのは、「愛情がこもっていなければ、相手の心には響かない」という事実でした。中学生の視点からDMを見直し、彼らの心に寄り添って教材をつくり直すことで、講座は評価を獲得。事業の大きな柱となっていきました。

VOICE : 現場から

「進研ゼミ小学講座」赤ペン先生 小倉 まさみさん「進研ゼミ小学講座」赤ペン先生
小倉 まさみさん

20年以上、赤ペン先生を続けて

赤ペン先生になって20年以上。「親でも学校の先生でもない大人と、手書きの言葉をやりとりする」ことに大きな効果があると感じています。とくに担任制になってから、私は、担当する小学4年生の成長を実感でき、子どもたちにも「自分を見続けてくれる人」として安心して勉強できる存在になれているのではないかと自負しています。また、世の中の動き・お客さまニーズに合わせて赤ペンサービスは変化し、常に新しいことに挑戦しています。それは大変ですが、やりがいでもあります。私はこの仕事が大好きです。

多様化する学びの中から最良の道を示す、ナビゲーターでありたい

時代とともに、子どもたちの学びを取り巻く環境は大きな変化を続けてきました。「受験戦争」と呼ばれた1970年代。その反省から進められた「ゆとり教育」は、逆に学力低下の不安をもたらしました。共通一次試験(現・大学入試センター試験)が始まり、また一方で推薦入試やAO入試が一般化し、受験という概念そのものも大きく変わっていきます。そうした変化に翻弄される子どもたちに寄り添い、いかにして彼ら一人ひとりに合った学びを提供できるかが、ベネッセの大きな課題となってきました。

推薦入学を目指す子どもと難関校へ挑戦する子どもではニーズが違います。ベネッセは、難関校志望者向けの「進研ゼミ難関私立中高一貫講座」や「進研ゼミ東大特講 ルートティー」「進研ゼミ京大特講 ルートケー」などの特別教材を開発。一方で「通信教育では学習習慣が身につかない」という声に応え、「お茶の水ゼミナール」や「東京個別指導学院」の経営に参加。「直接教える場」を持つに至りました。

子どもたちが自分に合った学びへの最良の道を見つけるために、どのようなナビゲーションが必要なのか。多様化した進路に対応した結果が、商品・サービスの拡充につながっていきました。

PISA(OECD生徒の学習到達度調査)国際結果の日本の順位

  2000年 2006年
読解力 8位 15位
数学的リテラシー 1位 10位
科学的リテラシー 2位 6位

2000年調査(32ヵ国〈OECD加盟28ヵ国、非加盟4ヵ国〉)と2006年調査(57ヵ国・地域〈OECD加盟30ヵ国、非加盟27ヵ国・地域〉)の国際結果より。

より深く子どもたちにかかわり、眠っている「やる気」を引き出す

「得点力学習DS」「得点力学習DS」

近年、力を注いでいるのが、子どもたちとのより充実したコミュニケーションの確保です。

いわゆる大学全入化などにより、「学ぶ目的」を見失ってしまう子どもたちが増えています。彼らの「やる気」を引き出すためには、今まで以上の心の交流が不可欠。ベネッセは、まず「進研ゼミ小学講座」で要望の多かった赤ペン先生の担任制を導入。「1枚の答案を指導する」から「1人の会員を見ていく」という、子どもたちの小さな変化や成長に目を留める細やかな指導を始めました。また、「進研ゼミ中学講座」ではいち早く答案用紙のやりとりにFAX、さらにはインターネット返却を取り入れ、スピーディな対応を可能にしました。子どもたちが楽しく学べるよう、2008年にはニンテンドーDS対応の学習ソフトも開発。おせっかいなくらい徹底的に子どもたちとかかわることで、子どもたちと勉強の距離を縮めるよう努力を続けています。

そしてもう一つ、子どもたちにどこまでかかわれるかという視点で生まれた画期的な商品が、紙とWebのブレンドにより学習効果を上げる「進研ゼミ中学講座+i (プラスアイ)」でした。

学習の取り組み方(学年別)

学習の取り組み方(学年別)

Benesse 教育研究開発センター「第1回 子ども生活実態基本調査」
(2004年11・12月実施)より。
「とてもそう」+「まあそう」の%で算出。

さまざまなメディアとITを駆使して、「通信教育」は次のステージへ

「進研ゼミ中学講座+i」「進研ゼミ中学講座+i」
パソコン本体はつきません。

この「進研ゼミ中学講座+i」は、従来の紙の教材に加えWebならではの音や動画機能を取り入れることで、よりわかりやすく、より楽しく、より多面的に学べる、世界でもほとんど例のない学習メディアです。楽しみながらどんどん学び進めるうちに、自然と「将来必要となる力」がつけられる工夫もされています。

重要なのは、単に教材をIT化したことではありません。Web上で学習方法のアドバイスを素早く行える即時性、子どもたち一人ひとりの能力に応じた「ニガテBOX」を設置した個別性、ゲームの要素を多く取り入れた親しみやすさなど、これまでは不可能だった子どもたちへのかかわり方ができるようになりました。その結果、多くの子どもたちから「勉強が楽しくなった」という声が寄せられています。

さらに注目すべきは、「子どもたちはどんな時間帯に勉強をしているか」「○○高校に受かった人はどんな学習をしたか」といったデータが集計できることです。その結果を教材や指導法に反映させることで、より深く子どもたちに寄り添うことができ、より明確な進路指導が可能となります。「進研ゼミ中学講座+i」は、今後も進化し続けられる学習メディアなのです。

教育は、「未来に対する責任」である

ベネッセが考える教育とは、入試で成功することだけではありません。もちろん、それは重要なチャレンジですが、合格後も社会に出ても“学び”は一生続くものです。子どもたちには、受験用の知識以上に学ぶことの楽しさや成長することの喜びを手にして欲しい。そのためには、入試というキーワードから離れた教育も、ベネッセの使命であると考えています。

例えば、高校を卒業してすぐ就職する子どもたちには、ベネッセグループ企業での職業体験講座が有効かもしれません。大学入学後に苦手な基礎科目を強化する再教育にも、要望の声が寄せられています。教育というパブリックサービスの多面的な担い手となるべく、検討を続けています。

40年以上の実績と400万人を超える会員を持つ信頼のブランドとして、これからも子どもたち一人ひとりの声に耳を傾けながらしっかりと寄り添っていきたい。変化し続ける時代の中で、子どもたちを成長に導く北極星でありたい。その責任が、ベネッセにはあると考えます。

VOICE : 現場から

高校生商品開発部長 村上 久乃高校生商品開発部長
村上 久乃

積極的に学びに向かう子どもを育てたい

今も昔も、子どもたちの本質は何も変わっていません。ただ、彼らを取り巻く環境は激変している。その変化と彼らの成長を結びつけることが、私たちの役割です。高校生でいうと、今、私たちは大学を目指すお子さんにしかサービスを提供できていません。けれど、ほかの子どもたちだって必ず社会に出る。未来の仲間には、やはりいろいろ学んでおいて欲しい。学ぶ意欲を持った子どもたちを増やすことが、私たちの究極の目標です。